その朝お母さんが亡くなった
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    今日の朝、お母さんが死にました・・・と

     

    神奈川でのgenuineのお客様の話。

     

    高校生のお母さんは、私のお客様。

     

    そのお母さんの高校生の娘は、カットの予約を前々からしていた。

     

    その予約をキャンセルする事なく、その日ここに来た。

     

    忘れもしない・・・私の人生の中で忘れる事のない衝撃の一日だった。

     

    朝10時・・・うつむき加減で笑顔を見せないお客様は、

     

    何も言わずに席に座った。カットのデザインを聞いて切り始める。

     

    話しかけてもきちんと対応するけど、元気がないのに気になって、

     

    『何かあったの?』聞いてみた。

     

    『今日の朝、母が死にました。』

     

    何が何だか分からず・・・『え?』

     

    暫く何も言えなかった。『何で来たの?』『予約していたから。』

     

    今思い出すと辛い。こんな律儀な人間は見た事がない。

     

    原因も何も聞いていない。聞けなかった。自分が高校生だったらと考えた。

     

    多分、人は、本当に重大な事に、大事な事に、反応ができないのかもしれない。

     

    受け止められない。想像を絶する境遇は余り経験ができない。

     

    私は、今日の予定だけ聞いた。『この後、叔父さんが迎えに来て・・・』

     

    『そっか・・・』淡々と作業をした。何をしたのか全く記憶がない。

     

    そのお母さんの事も、その子のお姉さんの事も、お客様だから、

     

    その子の未来まで、余計な事まで頭をよぎった。

     

    その子には何も触れなかった。私が、悲しむ必要があるのか。

     

    私は何も出来るはずがない。その時間が淡々と過ぎた。

     

    人の感情に簡単に入り込める時は、その事について、それ程真剣に考えていないのだろう。

     

    自分が人生で一番苦しかった時は、私の一番の友人は、傍に居て何も語らなかった。

     

    淡々と、時が過ぎたのを想い出す。

     

    その人の事なんて分かってあげられる筈はない。答えは出ない。出さなくていい。

     

    人の感情に簡単に入り込む事は、無神経に過ぎない。

     

    その感情は今でもこれからも、忘れる事はできない。

     

    mitsue

     

    http://genuine-salon.jp

    posted by: mitsue | 学んだ事 | 00:00 | comments(0) | - |